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2009年1月 9日 (金)

区画整理事業って?

===昨日と今日の日記

昨日:
神戸に出張.

今日:
朝 神戸から大学へ.
  来客.セミナー講師の打ち合わせ.
昼食(近所)
午後授業.17時すぎまで.
雑用(教務など)
修士学生に,数値計算教える.
図書館で,新着洋書を読む.
電車・バスで帰宅

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電車が,大学近隣の駅に「準急」で停まるようになり,確率的に時間短縮が行われてよくなった.(相変わらず,一つ手前で3本の電車に抜かされる「普通」電車はある.)

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昨日は,神戸に出かけた.
ある小さな川と町を見るためである.

神戸市,と言っても,トンネルの向こうの山の方である.

地元の方に案内していただいた.寒い日だったが,2時間かけて歩いて見て回った.

私は現場慣れしているのが,案内していただいた方の方がお歳を召しておられるのに元気だった.
そこは,このブログで,以前に「えげつない開発」で述べた町だ.

市による土地区画整理事業で換地で得た土地が川際で,そこに問題があって,民事裁判をされている方である.

研究者としては関わるのは(証人などになるには)危険な話だが,一度話しを伺って,河川行政の問題は,法的にクリアされているようだった.そこで,その確認に行く,ということ現地に行くこととしたのだが,無論研究者としては,その他の視点・興味が(も)あって行くのである.
ーーー

駅におりると,そこは山あいに,ゆるやかな傾斜の土地が川に沿って続いている,そんなところで,昔は温泉地に向かう街道で,「何にもない」のどかなところであったが,神戸市街地とトンネルでつながって,近郊の市街化となった場所である.それもこの10年くらいと,新しい.

谷を上流向きに見た風景.
Photo


問題の土地は,ここ.
Photo_2




飲食店と駐車場に使われていた.この川側は,張り出しになっている.このお店が作ったのではなく,市が作って,引き渡している.
Youheki


この下は,土留めの擁壁があるのだが,これは河岸ではない.河川区域の境界はその下の平地(幅3m程度)の真ん中にあり,そこから川側が,河川区域である.この平地は河川管理通路として法的に確保しなければいけないスペースで,民地にもわたっているわけだ.民地が河川管理通路として確保されることは合法である.

この通路の上を見ると,境界線のところまで,擁壁の天辺から張り出しを作って,駐車など,利用できるようにしている.

ふつうならば,河川区域の境界を通路に必要な幅まで確保し,その外側を民地(区画整理の土地)とする.もともとの河川区域が狭く,通路に必要な分が民地にはみ出てしまった,のかもしれない.しかし,その橋から鉛直に立てた擁壁の上に,再び敷地いっぱいまで,張り出し部を作るようなことはふつう,しないだろう.

これは,民地(区画整理の対象とする面積)を広くとることで保留地が多く確保できる,と言うこともできるが,それ以上に,これによって役所,つまり市が固定資産税を多くとることを目的としているということだ.

神戸市不動産株式会社である.

市が,この通路にエアコンの外機を置いて使ってよい,言ったとのことで,擁壁から土が漏れるなどして,エアコンに被害があったとのことだが,そもそも,河川管理者(県)が,それをOKというはずがない.管理のために民地まで通路をとったのだから,容易に動かせないものを置いてよいわけがなく,市の担当者はわかっていなかったことになる.

もっと問題なのは,この擁壁の基礎の上に,建物の基礎が載っているとのことで,普通,そのような建築確認は出せない,ということがわかり,将来大問題になる.(改築すらできない) 建築上の規制が存在するのに,それを説明せずに土地を引き渡したのだ.善管注意義務を持つとすれば,明らかにこれに反する

訴えの主要な点はこうした問題とのことで,河川管理上の問題は,エアコンを置いてよい,といった市の担当者の話だけである.

ーーー
しかし,根源的にはそもそもよくわからないことがいくつかある.

まず,区画整理事業を「市」が行い,水田等を盛土・擁壁によって造成し,換地・配分した.これを民間業者が行ったのであれば,宅建業者としての重要説明事項説明と同様の責任を負うのではないかと思う.それまでと違った形の土地を引き渡すことになるからだ.しかし,市がこうして行った場合,同様の義務と罰則が適用されていないのではないかということだ. 
上記のような点についてそうした説明を一切文書で行っていない,ということが問題だ.

宅建業者が売買するときには,法や政令を守るように言っておいて,自分たちは守っていないことになる.

もう一つの疑問は,もともと田んぼだったところに擁壁を立てて高く盛土して出来た利用土地は,水害のリスクも減り,平面になって価値の高くなっているのはわかる.しかし,擁壁は,道路と同じように社会基盤施設とし,その内側の土地を民地として与える,というのが自然であるだろう.ところが,これは区画整理事業の一環であるから,民地に組み入れてしまうのもありうるかもしれない.

実際,この擁壁は,河川区域でもなく,市の公共地でもなく,この人が手に入れた民地に入っている.擁壁そのものがこの人のもの,ということになってしまっているのだ.本人はその自覚は当初,なかったらしい.しかし,この地の区画整理の擁壁はすべてそのようになっているようだ.こんなに高いところもある.ここも,棚田の斜面だったところに盛土したのだ.
Photo_3



この擁壁に問題が生じたら,いったい土地の所有者は,そのコストが自分たちにかかることを,わかっているのだろうか?

この擁壁の建設コストも事業のコストとなっていて,保留地の売却益でまかなっているのだろうか? (いま気がついた.未確認) そうだとすれば,皆のお金で壁をたてて,それと土地をこの人に換地(あるいは売った)ことになる.

関連して,こうした擁壁は,土地の価格の評価に織り込まれているのだろうか.面積だけで換地したのなら,当然織り込まれていない.みんなで分担したか,市が別に金を使って作ったことになる.

そして,擁壁には資産価値(お金を投じて出来た)があり,それによって生み出された土地の利用度の高まったことによる価値上昇がある一方,将来この施設(擁壁)の面倒をみなければならず,修繕などの費用を将来見込むと,マイナスの資産価値を生むことになる.売買ならば,両方を考えて鑑定すればよい話だが,土地区画整理による換地では,そうした概念が入ってこない可能性がある.それを市がやった場合には,宅建業者のような注意が働かないので,そうしたことがよりおこりやすくなると思う.

ーーー
この地は別の点でも面白い土地であることを知った.
ゆるい斜面の比較的高いところでも地下水位が高いことがわかったのだ.斜面の下の方では,山の方から土砂でできた斜面の中を通って出てくる地下水の出口としての湧水がある.昔から,井戸などで,利用していたそうだ.(この地に住む親戚の話.)

しかし,斜面の上の方でも,じわじわと出ているところがあるそれは,棚田の粘土の上に盛土して家を建てているため,その粘土の上を水が流れているところもあるようだ.住宅地のよう壁の背後に水がたまる.擁壁を多く作ったので,水の出口が減って,より地下水が上がって,じくじくした土地になっているとのこと.
Photo_4




人間と水の関係が負のスパイラルの相互作用系になっている.

ーーー
親戚の家で,昔の土地の様子を聞くことができた.一日にして,原風景と現在風景の情報が得られて,この地について,とてもよくわかる日となった.

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